『夜の森とダイヤモンドダスト』より
●ウィーム夜の森のダイヤモンドダスト
生粋の自然現象ではないので、冬の妖精と雪の魔物の様々な条件が重なって発生する神秘の夜。
- 深い夜青の空が天鵞絨のような濃紫に変わり、月が出ているのに雪が降っていれば、最初の条件は整う。
- 風がないこと。
- 星が瞬いていること。
- 夜の森が静まりかえって、動物たちが眠っていること。
更に幾つかの条件の後、夜の森にダイヤモンドダストが降る。
「すごいですね。本当に宝石の欠片が降っているみたいです」
「時々、雪の魔物が面白がって本物のダイヤを混じらせたりもするよ」
ほんとすごいわそれは。
「このダイヤモンドダストは、やはり氷なのですか?」
「雪の魔術と冬の欠片だね。溶かしても水にはならないよ」
「触ったらまずいものですか?」
「触ると凍ってしまうんじゃないかな」
本日のネアのお飲み物はメランジェ。
上等な珈琲にたっぷりのスチームミルクを乗せたもの。
冬場の乳製品は、ウィームより北にある山間の村から取り寄せている。見慣れた乳牛ではなく毛の長い茶色の牛で、コクがあってまろやかな味わいだ。その分、冬に飲むメランジェは柔らかくて微かに甘い。紅茶党のネアも、最近は気に入ってよく飲んでいた。
転移というどこでも一足な便利魔術があるので、こうして森の奥深くであたたかなお茶会が出来る。ネアの中での魔術の恩恵は、力というよりもこのような利便性が最たるものになっていた。
ただひたすらに羨ましいやつです、転移の魔法。
ディノは香草茶
元々ヒルドが好んで取り寄せていたもの。
味覚が似ているのは別に特別なことではないのだが、なぜか負けたような気持になるらしいディノ。
新しい飲み物を発見したい………
こんな発言が出るぐらいには。
●雪の魔物
- 黄褐色と灰色の瞳に、銀混じりの薄青い髪をした、尊大な男。
- 美しいものに目がなくて、排他的。
- よくあちこちに雪の城を建てている魔物。
想像したよりは強そうな魔物。
ネアちゃんは
ディノにだって、何かが好きだという気持ちを沢山育てて貰いたいもの
という想いがあるので、ディノの世界が広がってゆきます。
すごく健全で良いことだなって思います。
最近、私は、生薬の材料狩りに向いているような気がしてきました!ディノの薬の精製と合わせてこれを極めれば、一攫千金も夢ではないと考えると、転職の可能性は捨てきれません
夫婦で商売をやる気満々なとこも良いなと思います。
この世のダイヤモンドダストもとても美しいと思うけれど、実際見に行くのは、遭遇するのは、なんだか南国育ちの私には無理めな気がしています。
マイナス40度超えとか。
写真と映像でうっとりしておきましょう。