『指輪の音と薬の手帳』より。
ネアちゃんのお仕事環境は、理想。
仕事熱心だけれど、仕事にのめり込むことはなく、時間が終われば自分の時間を謳歌する。
かつてブラックな職場にいたから(私が)こそ、理想的。
ネアのお薬手帳(お薬の記録簿)、見てみたいですね。
「ネア、それは何の記録?」
「生薬の材料ですよ。蜂が解毒、蝶は血の薬、蛇は目の薬なんですね」
ディノとしては、ネアは働かなくてもいいのでは?と思っているけれど。
『仕事という括りでしか達成出来ない、地道に何かの成果を出すという喜びがあります。職種が合わなければ喜びもありませんが、私はどうやらこの作業が好きみたいですね』
そう言って楽しそうに笑ったので、ネアから仕事を取り上げるのは止めることにした。
地道に何かの成果を出す喜び・・・。
そしてそれを取り上げないことにした魔物。
不相応な欲を出して彼女を磨耗すれば、私はすぐにでもネアをここから連れ出すだろう。
彼女が幸福でない場所など、何の意味もない。
ネアちゃんの幸福第一主義の魔物。
でも馴染めば馴染む程、彼女はいつの間にか他の何かも抱え込んでしまう。
知らずにシーに求婚し、それを拒絶させない程だ。
かなり不本意ではあるが、彼女が損なわれた訳ではないので放っておくことにした。
彼女は得ただけで、彼女が彼に得られたわけではない。
強力な守護という意味では、彼女の助けにもなるだろう。
彼女自身が、奪われない限り。
彼女が、彼女自身を与えようとしない限り。
それまでは気にするまいと、そう言い聞かせた。
ネアちゃんがモテる分は、すっごく不本意だけど我慢することにした魔物。
このあたりが私がディノを理想のヤンデレだと評価する点です。
ディノの願いは、ネアちゃんの幸福。そして安全。
優しい魔物です。
高位のものホイホイなネアちゃんだけど、守護は多ければ多いほど安心!という面を最優先して耐えてるディノは良い魔物です。