「書架妖精の懸念」より。
同僚が恋をした。
いや、言い換えよう。
同僚が犯罪者になるかもしれない。
ダリルさんの懸念ですね。
(ネアちゃんってばあんな大人しそうな感じで、変態を呼ぶ何かを出してるんだな……)
望む望まざるにかかわらず、どうもある種の者に好かれやすい素質というものがある。
きっと彼女はその類なのだろう。
・・・わかる。
妖精の婚姻は、とても簡単だ。内羽に触れ求婚し、内羽に触れさせてその求婚に応える。ここまでを、人間で言うところの婚約とする。
つまり、ヒルドは生涯でただ一度の権利を、あの少女に手渡してしまっている。
知らない間に婚約者がいるのだから、彼女的には詐欺に遭ったようだが、ヒルドの方も相当のものを手放しているのだ。
(六百歳で、初めての恋か。恐ろしいな……)
600年ものの妖精を惚れさせるネアちゃんが恐ろしいな!!
ネアちゃんから見たディノ
何というか、確実に変態ですが子犬のような純真さがあります。
ネアちゃんから見たヒルドさん
目が少しも微笑んでいないので、真剣に怖いやつです。
そしてヒルドさんへの、ダリルさん評
「……あいつ、気持ち悪いな」
エーダリア様への、ダリルさん評
やっぱり、あの馬鹿王子が一番無害で可愛い。
初めに見た時の伶俐なエーダリア様の印象がどんどん可愛らしくなってゆく・・・