「竜の逆鱗と国際問題」より。
「でも、妖精の庇護は魔物の庇護とは違うんだよね」
「……そうなのですか?」
言われてみれば種族が違うのだが、具体例がないとよくわからない。
「魔物の庇護は加算なら、妖精の守護は修復かな」
わかるような、わからないような。
「つまり、元々のネアそのものを損なわせないということであれば、妖精の庇護は有用なんだよ」
魔物の庇護は加算タイプで、妖精の守護は修復タイプ。らしい。
「例えば大きな攻撃があったとして、魔物の庇護はその攻撃の盾となる。けれどももし、ほんの微かな擦り傷が出来てしまったら、その傷の修復には妖精の庇護がいいんだよ」
「成る程。得意分野の違いがわかった気がします!」
「今のところ、その擦り傷の修復も万全ではあるけど、祝福の筈が当人には悪作用だったりと、………今後のネアにとって何が必要になるのかはわからないからね」
ディノはネアの守りになることには、狭量になりがちな独占欲の本能を我慢してまで、とにかくたくさん受け取って、いらないかなってのは様子を見て判断しているご様子。
この回、ジゼルさん(雪竜)登場回。さっそく不憫な感じです。リズモの玉の輿の祝福が発動。
ジゼルさんは(ネアちゃん解説)
- ディノより少し高いくらいの身長。
- 受ける印象に重量感のないディノやヒルドと違い、その男性は頑強そう。
- 鉄鉱石な感じ。
- 鋼のような深みのある声。ざらりと低いからこそ甘く美しい声音。
- 目尻には、髪と同色の白に近い紫の鱗。
竜という種族
- 人型になれる竜は、高位の人外者という区分。
- 魔術の展開領域や独自性も高く、一晩で国一つ滅ぼした逸話もある
- 少々高慢
- 叡智に富み、庇護する仲間達を大事にする生き物。
- 所有欲がとても強くて、気に入ったものはかなり強引に囲い込もうとする。
- 危ういかどうかではなく、正しいかどうかではなく、自分の望みに忠実な選択を好む傾向にある。
「彼女は、私の逆鱗を踏んだ唯一人の存在だ」
謎に誇らしげにジゼルが宣言し、ネアは眉間の皺を深くした。
「変態よ、消え失せなさい」
「ネア、今日は私の足も踏んでないのに!」
「ディノ、私が彼に行ったのはご褒美ではありません。ただの攻撃です!」
「魔物にはもう飽きたのではないか?」
「見ず知らずの変態は黙り給え!」
カオス。
そして逆鱗ってなんだっけな・・・。そういうものだっけかな?
逆鱗の由来と概要(wiki)
「竜」は、元来人間に危害を与えることはないが、喉元の「逆鱗」に触れられることを非常に嫌うため、これに触られた場合には激昂し、触れた者を即座に殺すとされた。
このため、「逆鱗」は触れてはならないものを表現する言葉となり、帝王(主君)の激怒を呼ぶような行為を指して、「逆鱗に嬰(ふ)れる」と比喩表現された。
この故事をもとに、現代では、「逆鱗に触れる」として広く目上の人物の激怒を買う行為を指すようになり、また「逆鱗」が目上の人物の怒りそのものを指す言葉として用いられることもある。(wikiより)
くすまも世界の竜の補足
- 竜は己よりも強い者に焦がれる性質がある。
リズモの玉の輿の祝福と相まって、すごい。
ジゼルさん自体は個人的に好ましい部類です。妹の双子の竜の意志を尊重してるところといい、とてもいい方なのだな、と思います。