「詰めるべき問題を話し合います」より。
この回で魔物上位三席が揃います。豪華。
しかし、会合が持たれたのはそのどちらでもない、噴水の水面に映り込んだ大聖堂のその奥のこと。
その大聖堂の中には、祭壇も何もない。
がらんとした殺風景な空間の真ん中に、無造作に置かれた円卓についた三人の男がいる。
アルテア
ウェーブのかかった純白の髪に赤紫の瞳の男がグラスを傾けて笑う。
漆黒の燕尾服に切り取られたように白い手袋が際立つ。
お気に入りの帽子を指先でくるりと回す姿は、見る者を不安にさせる何かがあった。
ディノ
純白の盛装姿の男が薄く微笑む。
その刺繍や装飾品、布地の織の全てに、ありとあらゆる白がふんだんに使われている。
純潔の色彩には初々しさの欠片もなく、ひたすらに重く静謐な白さだ。
ウィリアム
穏やかにそう笑ったのは、短い白髪に白金の瞳をした男で、純白の騎士姿は、清廉だがどこか柔和さが漂う。
凄艶な美貌を持つ他の二人に比べ、目が合えば穏やかに微笑み返せそうなぬくもりのある美貌の持ち主だ。
豪華すぎる円卓の魔物。
ディノにとってのヒルドさん
「時々殺してしまいたくなるけど、あのくらいの執着と覚悟がないと、番犬にはならないからね。慣れない守護で過信はしたくないから、隙間を埋めるのに必要なんだよ」
歌乞いについて
歌乞いは恩寵である。
その魔物の、誰にも叶えることが出来ない願いを叶えることが出来る、唯一つの手段。
だからこそ魔物は歌乞いに執着し、閉じ込める。
そして、唯一つの歌乞いを得た魔物は、その後決して別の歌乞いを選ぶことはない。
その孤独を恐れて、最初から複数の歌乞いを手にする信仰のように、魔物をそこまで恐れさせる甘美な毒なのだ。
過去にモテモテで爛れた(?)生活をしていたとしても、
歌乞いを得た瞬間「一途」に。
とても極端。