昨日の続き
「サラフ」
「ガゼットの大鷲城」
「ウィリアム」
「薔薇とヤドリギ」
●ネアの戦場クッキング→風竜の用意した材料で作るシチュー
●風竜(サラフ)が調達してきたいきさつ
言われた通りに肉を切り出し、その辺りで放棄されていた畑から、地中に残されていた野菜を集めてきた。
調味料やバターとやらは少し苦労したが、敗走準備をしていた教会兵の部隊を襲ったら手に入った。
司祭が美食家だったのが幸いしたのか、様々な香辛料と新鮮なミルクやチーズ、穀物の粉類も手に入った。
それらを持って帰ると、城の厨房に調理器具を掘り出しに行く手伝いをさせられ、準備が整えば今度は、野菜の洗浄や鍋の管理などを任せられる始末だ。
あまりにもこき使われるので、少し威圧してやろうとしたら、鍋をかき回しながらあまりにも残虐な謳いを向けられ、膝が崩れそうになった。
驚愕の目で見たら、素知らぬ顔で楽しそうに口ずさんでいる。
魔術可動域は低くとも、この女は唱歌の技術を、武器として磨き上げていたようだ。
仕方がないので、テーブルに鍋を運ぶところまで全てを手伝うしかなくなる。
そして、ネアのシチューで餌付けされた風竜(サラフ)
ネアちゃん・・・鼻歌謳いながら料理もできない(できるけど死屍累々に)。
残虐な武器扱いされて不憫・・・。
●ウィリアムの鳥籠
「結実の声が近いから、あと数日もすれば天秤が傾くだろう。そうすれば鳥籠も解除出来るからな」
「……鳥籠?」
「国が滅ぶ時には、必ず、俺を筆頭とした終焉に従事する魔物や妖精が呼ばれる。死に纏わる魔物が集まる時は、その毒が漏れ出さないように、鳥籠と呼ばれる結界を作って国を封鎖するんだ」
「そう。だからこそ、シルハーンは入れないんだ。除外するべきものとして、俺達は万象を考慮するからな。俺が仕事をする場所に彼がいると、相乗効果で国土そのものを殺してしまいかねない」
「それは、ディノの司るものと、ウィリアムさんの司るものが結びついてしまうからですか?」
「ああ。彼の影響はとても強く、また、それを調整する気質でもないからな。君が昨日歩いてきた平野部は酷い有様だが、ここは本来、森と川に恵まれた良い土地だ。生き残った民達が上手く育てれば、良い国になる」
「終焉は元々穏やかなものだ。戦乱が絡むと表情を変えるが、それもまた一面に過ぎない。でも、残念ながら、そちらの悪評ばかり先行してしまうな」
鳥籠は「結界」